年郎くんと、吉雄くんは、ある日、学校の帰りにお友だちのところへ遊びにゆきました。そのお家には、一本の大きないちじゅくの木があって、その木の枝を差して造った苗木が、幾本もありました。
「この木を持ってゆかない?二、三年もたつと実がたくさんなるよ。」と、友だちはいいました。
そんなに早く、実がなるの。」と、二人は、おどろきました。
「ほんとうさ、このいちじゅくは、とても大きくて、うまいんだよ。」と、友だちは、自慢したのであります。
「そうかい、もらっていって、植えるから。」と、二人は同じくらいの苗木を一本ずつ、ぶらさげて、お家へ帰ったのでした。
年郎くんは、その小さい木をどこに植えようかと考えました。
「圃にうえようかな、土がいいから、きっと早く大きくなるだろう。」といって、圃に植えたのでした。
吉雄くんも、その木をどこに植えたらいいかなと考えました。
「庭のすみに植えてやろう。そう早く大きくなりはしないだろうから、邪魔になりはしない。」といって、庭のすみに植えました。