ある田舎に、一人の男がありました。その男は、貧乏な暮らしをしていました。
「ほんとうに、つまらない、なにひとつおもしろいことはなし、毎日おなじようなことをして、日を送っているのだが、それにも飽きてしまった。
男は、そう思いました。そして、あう人に向かって愚痴をもらしました。
これを聞いた人々の中には、
「これは、おまえさんばかりがそうなのではない、みんながそうなのですよ、しかし、いったからとてしかたがないから黙っているのですよ。」といったものもあります。
しかし、男は、それを聞いただけでは、あきらめられませんでした。もっと、おもしろいことや、しあわせのことがなかったら、生きているかいはないように考えました。
男は、お膳に向かって飯を食べますときに、
「いつも、こんなまずいものばかり食っているのでは、生まれてきたかいがない。」と思いました。
また、仰向いて、家の内をじろじろと見まわしては、
「いつも、こんな汚らしい、狭い家に住んでいるようでは、生まれてきたかいがない。」と思いました。
そして、男は、人の顔を見ると不平をもらしました。なかには、