町の方から、いつもいい音が聞こえてきます。
チンチン、ゴーゴーという電車の音のようなのや、プープーというらっぱの音のようなのや、ピーイ、ポポーという笛の音のようなのや、聞いても聞いてもその音がいろいろであって、どんなにぎやかなおもしろいことがあるのか、考えてもわからないような気がしました。
小さな政ちゃんは、白いエプロンをかけて、往来の上に立ってその音を聞いていましたが、ついその音のする方へさそわれて、とぼとぼと歩いていきました。
そこは、ちょうど町のまがり角になっていました。車がとおります。人が歩いていきます。それは、ほんとうににぎやかなのでした。
「おまえひとりで町へいってはいけませんよ、道をまようとたいへんですから。」と、よくお母さんのおっしゃったことばを政ちゃんは思いだしたのでした。
「なんで、道などまようものか。」と、政ちゃんは心の中で強くいいました。
ちょうどこのとき、あちらに子供たちがたくさんあつまって、なにかを見ていました。きっとおもしろいものが、あったにちがいありません。
「なんだろうな?
小さな政ちゃんは、そこまでいってみることにしました。