二時間の図画の時間に、先生が、
「みなさんのお母さんを、描いてごらんなさい。」と、おっしゃいました。
「先生、お母さんのない人は、どうしますか?」と、いったものがあります。
「お母さんのない人は、だれですか?
「武田くんは、お母さんがないのです。
「じゃ、ない人は、お父さんをおかきなさい。」と、先生はおっしゃいました。
みんなは、静かになりました。そして、年ちゃんは、まるまるとした手に鉛筆を握って、お母さんの、お顔を思い出しているうちに、
「いまごろ、お母さんは、どうしていらっしゃるだろうな。」と、ほんとうに考えたのでした。
昨日の夜でした。お父さんが、お出かけなさろうとして、
「まだ、着物はできないのか?」と、お母さんに、おっしゃいました。
「もうすこしですけれど、まだできあがっていないのです。」と、お答えなさると、