金魚鉢にいれてあるすいれんが、かわいらしい黄色な花を開きました。どこから飛んできたか小さなはちがみつを吸っています。勇ちゃんは日当たりに出て、花と水の上に映った雲影をじっとながめながら、
「木田くんは、どうしたろうな。」と、思いました。
二人は、同じ組でいっしょにデッドボールをやれば、まりほうりをして遊んだものです。木田は、小さくなったズボンをはいていたもので、うずくまるとおしりが割れて、さるのおしりのように見えたのも目にうつってきました。
ある日のこと雑誌を貸してやると、
「ふなをあげるから遊びにこない?」と、木田はいいました。
勇ちゃんは、ふながほしかったから、急にゆきたくなりました。
「どうしたの、君が釣ってきたのかい。」とたずねました。木田は、棒切れで砂の上に字をかきながら、
「ああ、お父さんと川へいって釣ってきたんだ。こんど、君もいっしょにゆかない?」と、いきいきとした顔を上げたのであります。
「いつか、つれていっておくれよ。君のお父さん、釣るのはうまい?