正吉くんは、はじめて小田くんの家へあそびにいって、ちょうせんぶなを見せてもらったので、たいそうめずらしく思いました。
「君、この魚はどこに売っていたの?
「このあいだ、おじいさんが売りにきたのを買ったのだよ。」と、小田くんはいいました。
「こんどきたら、ぼくも買おうかな。」と、正吉くんは、あかずに、ちょうせんぶなのダンスをするのをながめていました。
「それよか君、あしたいっしょに魚つりにいこうね。」と、小田くんはいいました。
「ぼく待っているから、君、さそってくれたまえ。
「ああ、お昼すぎになったら、じきにいくからね。
二人は、こうおやくそくをして、正吉くんはやがてお家へかえっていきました。途中に大きなかしの木がありました。その下で、金魚売りのおじいさんが休んでいました。
「あのおじいさんではないかしら。」と、正吉くんは思いました。
ちかづいて、たずねました。
「おじいさん、ちょうせんぶなあるの?
たばこを吸っていたおじいさんはにこにこしながら、
「ええ、ありますよ。」と、答えました。