ちょうせんぶなと美しい小箱·Ogawa Mimei

ちょうせんぶなと美しい小箱

ちょうせんぶなとうつくしいこばこ

小川 未明(Ogawa Mimei)

beginnerchildren· 1977· 青空文庫 ↗

正吉くんは、はじめて小田くんの家へあそびにいって、ちょうせんぶなを見せてもらったので、たいそうめずらしく思いました。

「君、この魚はどこに売っていたの?

「このあいだ、おじいさんが売りにきたのを買ったのだよ。」と、小田くんはいいました。

「こんどきたら、ぼくも買おうかな。」と、正吉くんは、あかずに、ちょうせんぶなのダンスをするのをながめていました。

「それよか君、あしたいっしょに魚つりにいこうね。」と、小田くんはいいました。

「ぼく待っているから、君、さそってくれたまえ。

「ああ、お昼すぎになったら、じきにいくからね。

二人は、こうおやくそくをして、正吉くんはやがてお家へかえっていきました。途中に大きなかしの木がありました。その下で、金魚売りのおじいさんが休んでいました。

「あのおじいさんではないかしら。」と、正吉くんは思いました。

ちかづいて、たずねました。

「おじいさん、ちょうせんぶなあるの?

たばこを吸っていたおじいさんはにこにこしながら、

「ええ、ありますよ。」と、答えました。

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