二人の少年が、竹刀をこわきに抱えて、話しながら歩いてきました。
「新ちゃん、僕は、お小手がうまいのだぜ。
「ふうん、僕は、お胴だよ。
「お面は、なかなかはいらないね。
「どうしても、背の高いものがとくさ。正ちゃん、いつか仕合してみない。
新吉は、お友だちの顔を見て、にっこりと笑いました。
「まだ、君と、やったことがないね。だが、新ちゃんを負かすと、かわいそうだからな。
「だれが、正ちゃんに負けるものか。
新吉は、自信ありげに肩をそびやかして、前方をにらみました。
「僕は、新ちゃんに負けない。
「僕も、正ちゃんに負けない。
二人は、道の上で、竹刀を振りまわしながら、仕合のまねごとを始めたのです。
「おや、あぶのうございますよ。
ふいに、どこかのおばさんが声をかけました。おばさんは、道の端の方へ体をさけていました。
「新ちゃん、あぶないからよそうや。」と、正二がいいました。
「ああ、よそう。