風の吹くたびに、ひからびた落ち葉が、さらさらと音をたて、あたりをとびまわりました。空はくもって、木の枝がかなしそうにうごいています。急にお天気がかわりそうでした。
「雪がふると出られなくなるから、ちょっと、となり村まで用たしにいってくる。」と、父親は、身じたくをしながら、いいました。
「その間にぼくは、外につんであるまきをかたづけておこう。」と、兄の太郎がいいました。
「あまり暗くならぬうちに、お父さん、かえっていらっしゃい。」と、弟の秀吉はいいました。
「ご飯がにえたら、お母さんにあげて、先に食べておしまい。」と、父親は、戸口で兄弟に注意して、空をながめていましたが、
「寒さがちがうから、今夜は雪だろう。」と、いいました。
このとき、ペスは犬小屋でねていました。いつもなら、とびだしてきてあとをおうのですが、どうしたのか、音もたてなければ、姿も見せませんでした。
「ペスをつれていかないの。」と、太郎がいいました。
「ねているなら起こさずにおいておやり。」と、そのことばには、やさしみがありました。そして、もう父親は、門の方へ歩いていたのでした。