山へ雪がくるようになると、ひよどりが裏の高いかしの木に鳴くのであります。正雄は、縁側にすわって、切ってきた青竹に小さな穴をあけていました。
「清ちゃんのより、よく鳴る笛を造ってみせるぞ。そして、二人で林へいって、やまがらを呼ぶんだ。
彼は、独り言をしながら、注意深く、細い竹に小刀で穴をあけていたのです。しかし、若竹で柔らかくて、うまく思うようにいかなかったのです。庭のすみに、寒竹が生えていました。
正雄は、庭に降りて、寒竹を切ろうとしたのです。
「あっ、それを切っては、だめよ。お父さんが、大事にしていなさるのだから。」と、姉のとよ子が見つけていいました。
「やはり清ちゃんのところへいって、聞いてこよう。
正雄は、駈け出しました。
「清ちゃん、どこに、そんな竹があったの。
「君、この竹は、枯らしてあるんだぜ。釣りざおにするって、福ちゃんのおじさんが、取っておいたのだけれど、先が折れたからといって、僕にくれたのだ。こんないい竹は、どこを探したって、あるものか。
「僕も、そんな竹が、ほしいなあ。