がちょうの たんじょうび·Niimi Nankichi

がちょうの たんじょうび

がちょうの たんじょうび

新美 南吉(Niimi Nankichi)

beginnerchildren· 1988· 青空文庫 ↗

ある おひゃくしょうやの うらにわに あひるや、がちょうや、もるもっとや、うさぎや、いたちなどが すんで おりました。

さて、ある ひの こと がちょうの たんじょうびと いうので、みんなは がちょうの ところへ ごちそうに まねかれて いきました。

これで、いたちさえ よんで くれば、みんな おきゃくが そろう わけですが、さて、いたちは どう しましょう。

みんなは いたちは けっして わるものでは ない ことを しって おりました。けれど、いたちには たった ひとつ、よく ない くせが ありました。それは おおぜいの まえでは、いう ことが できないような くせで ありました。なにかと もうしますと、ほかでも ありません、おおきな はげしい おならを する ことで あります。

しかし、いたちだけを よばないと いたちは きっと おこるに ちがい ありません。

そこで、うさぎが いたちの ところへ つかいに やって いきました。

「きょうは がちょうさんの たんじょうびですから おでかけ ください」

「あ、そうですか」

「ところで、いたちさん、ひとつ おねがいが あるのですが」

「あの、すみませんが、きょうだけは おならを しないで ください」

いたちは はずかしくて、かおを まっかに しました。

「ええ、けっして しません」

と こたえました。

そこで いたちは やって いきました。

いろいろな ごちそうが でました。おからや、にんじんの しっぽや、うりの かわや、おぞうすいや。

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