かいじん二十めんそう·Edogawa Ranpo

かいじん二十めんそう

かいじんにじゅうめんそう

江戸川 乱歩(Edogawa Ranpo)

beginnerchildren· 2005· 青空文庫 ↗

あるおひるすぎのことです。

東京のまつなみ小学校のこうていで、みんながあそんでいました。

休み時間なので、一年生から六年生まで、かけまわったり、キャッチボールをしたり、きかいたいそうをしたりして、あそんでいたのです。

「あっ、ヘリコプターだっ」

だれかがさけびました。

ヘリコプターだ」

口々にさけびながら、みんな空を見上げました。

よくはれたまっさおな空に、ヘリコプターが小さくうかんでいました。高くとんでいるので、のっている人のすがたは見えません。

「あっ、びらだよ。びらをまいたよ」

また、さけび声がわきあがりました。

おお、ごらんなさい。ヘリコプターから、さあっと、こなのようなものがふき出したかと思うと、それが、きらきらとかがやきながら、ゆっくりおちてくるのです。

おちるにつれて、こなのようなものが、すこしずつ大きくなり、それが、空いちめんにひろがってきました。

「きれいだねえ。金色に光っているよ」

ほんとうに、そのひとつびとつが、金色に光っていました。

紙のびらではありません。なんだかへんなものです。

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